本書は35部に及ぶ意義分類部(神宮之部・鳥居之部など)と42部のイロハの部(居之部・呂之部など)からなる日本最初の建築辞書である。しかし辞書とはいえ、部以下は約2300語の単語が羅列されているのみである。宝暦7年(1757年)に本書の草稿的な『木匠言語』が記され、翌年の宝暦8年(1758年)に記された写本が最初期のものである。テキスト化を行った本書はさらに後の寛政2年(1790年)に増補され、公刊されたものである。
序文は送り仮名・返り点付きの漢文であり、白文と書き下し文を用意した。凡例は漢字カナ混じり文であるので、そのままテキスト化を行った。凡例における振り仮名のふられた漢字は、その漢字のすぐ後に(フリガナ)と括弧書きで記した。
本文はいくらかの項目にわけてMicrosoftExcelを用いてデータ化した。その際、以下の図のように、部名・項目・項目見出し語・項目カナを定義してセルに置き換え、それに検索用として現代語かなのセルを加え、さらに通し番号を振った。また、しばしばみられる各ページの枠外にある落書きのようなもの(下図参照)は除外した。
<データ>
「紙上蜃気之序・凡例」(html形式:8k)
本文1「神宮之部・鳥居之部・佛殿之部・七堂伽藍・又一曰・又一曰・又一曰八葉蓮臺之伽藍・塔之部・門戸之部・居家之部・城郭之部・橋之部」:(microsoft-excel形式:88k)
本文2「伊之部・呂之部・波之部・仁之部・保之部・反之部・土之部・知之部・利之部・奴之部・遠之部・和之部・加之部・與之部・多之部・礼之部・曽之部・都之部・子之部・奈之部・良之部・牟之部・宇之部・乃之部・久之部・也之部・未之部・計之部・不之部・古之部・天之部・安之部・左之部・幾之部・由之部・妙之部・美之部・志之部・恵之部・比之部・毛之部・世之部・須之部」:(microsoft-excel形式:232k)
本文3「棚之部・匠家神祭之式・木匠之具・分尺元起十二律元聲之銘・中聲之銘・變律・古今尺之銘・度尺・間数・玉尺・子房尺・曲尺・魯班尺・玄女尺・方位并相地・十二支・日月五星二十八(宿)・二十四季・二十八宿・測量之器并町間之具・木匠合文國字・數字・大數・匠家繪様紀原・家造木竹之部」:(microsoft-excel形式:88k)
本文全文(上の本文1〜3を統合したもの):(microsoft-excel形式:360k)