「装飾は犯罪である」という表現をめぐって

1925年

 

 建築家アドルフ・ロースがわれわれ宛の手紙にこう書いている。

 

 世間の支持を得ている貴紙が、私と「装飾は犯罪である」と発言したウィーンの建築家が同一人物ではないと断言してくださったら、恩に着ます。私がそう言ったのではないかと疑われるのは当然です。7年前、私は「装飾と犯罪」と題して講演を行っており、その中で装飾と犯罪、ないし装飾と退廃(入れ墨)の内的な関係性を指摘しているからです。

(210文字)