方圓順度 元

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 方圓順度之序
夫木匠之道者、於吾 朝起於齋部遠祖矣、相續而行天下也、蓋古今各匠其術盡以也爲流派矣、今當泰平之時造營普盛也、故各家益多、長其術者四方出著尺度方圖式不得盡枚擧乎、然如予雖無何能木工之術考其原、規矩準縄之不出於外乎、雖然見聞之圖書以皆矩與準二術而己、既闕規○術乎、予思之久而加之規術以欲爲三術全而茲新撰一百五十餘術者、百分之一乎、以不有為足所謂千里之道起於一歩矣、開其一二則後人亦餘術考以規矩準縄之三術全則匠家可成一能也、又日大匠不知天度理則不得足正南北矣、又不知有磁針差乎、故天度日月星運行赤道黄道白道南北極高度大卒知其理則可易得規矩理乎依以出天度地球等規術也、希後人増補之欲為匠家一助、爾云于時天明戊申歳秋南呂上句
 東都工匠長官
  溝口内匠源林卿 撰

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 天工方圓變化規矩術元起
方圓之形者陰陽相備象也、蓋方圓本一物而方即圓之變化也、凡於天地間有形者皆以倶方圓象矣不有於圓則萬物不動、不動則不成萬事也、又無止而常動則不成萬事也、故方也、圓動方止、此以二形動與不動變化萬事成也蓋方雖有於圓裏亦事止、則方在於表而圓在於裏矣事動則圓存於表而方在於裏如此所以變化自在一物也、又以規矩之術得方圓而圓成方成在於裏在於表又以圓中十字當四方經緯常理也、又其分積以裏為表、則倍之其積也、以表為裏則半之其積也、所以爲本圓而方即圓、變化之象一物也

p5
・規矩方圓元起之圖

p6
・三角・四角・五角・六角・七角・七角

p7
・八・九・十一・十一・十

p8
・十二・十三・十三・十五・十六・十六

p9
・十七・十七・十八・二十二・十九・二十

p10
・二十一・二十二・二十三・二十四・二十五・二十九

p11
・五角半・六角半・七角半・八角半・九角半・十角半

p12
・十一角半・十一角半・十四角
・七角
円径二尺 角中径一尺 面八寸六分七七八一
右ノ術ヲ以スルニハ真数ニ二厘三毛余不足ナレモノ業簡易ナル故二之用ナリ
・求平円之十字規術

p13
・三度量合分
如假七寸九分五厘ヲ九除スルニ右之如
一度ハ余リ一度ハ不足也
余ルト不足ト如図シルシテ釣朱ノ所ヲ以量レハ二度ノ違ヒ三度ニシテ合也
二度共ニ不足或イハ二度共ニ余タル時ノ術
・真直線除法

p14
・扇卦術
假如二尺六寸五分 十ニ除テ各小間ヲ減ル術
・圓形直線小間ノ廷ヲ知ル規術

p15
・直線除方
斜ヲ設小間ヲ廣クスル
・図のみ

p16
・追斜之術・同小間ヲ加ル之術・小大之術・同迫斜

p17
・絡矩側圓得中真・缺円得中真・絡矩得円徑・不等得中真・三角中客方・三角得中心・三斜得中真

p18
・図のみ

p19
・図のみ

p20
・一圓真矩得術
真円立ル所定リナシ
・同上・三点乗圓ヲ規術・同上・一方用矩之圖・缺圓之得中真矩術・側圓規術雙圓之方又一ニ名堕圓

p21
・雙方之術・三双圓之法・二圓・側圓渦形規術・雲頭形規術

p22
・渦形之規術

p23
・半圓規之圖
八線之表者圓径二尺也 分度矩半圓径一尺也
三百六十度之半円百八十度 一名分度矩
蠻名ハルフロントキルケル 天文術町見共ニ〓一之器也

p24
・図のみ
眼開餘ル方面
・図のみ
正體 圓表移影 移形 圓裏移影 出ル圓影移正
・図のみ
正體 移形 入圓影相反

p25
・左右上下影相反解理之圓
右 左 絞形 左 右
下 移影 上 立板 中空絞形 上 正體 下

p26
・空眼延
・延形ニシテ迫解圖
・空眼迫形 空間延形

p27
・眼反浅圖形
見小月
・眼反深圖形
見大月
・無反形無延也
毎人見月或小是各眼之反リ浅者完キ少キ故ニ見月七分ニ見ル也中図眼反リ深キ者開多キ故見月十分ナリ下之面曽テ無反リ形ナリ無開故如圖ナリ

p28
・八線之圖
正玄五八七七九{句則/宇立}為実實如法而一得
余玄八〇九〇二{殳昴/地ノ同也}為法高配也一得
{正玄/余玄}高配七寸二分六厘五毛有竒三十六度ノ高配
正玄五八七七九 余玄八〇九〇二 正切七二六四五 余接一三七六三八 正割一二三六〇七 余割一七〇一三〇
象限半圓径一尺也

p29
・三・四・五・六・七・八・九・十・十一・十二・十三・十四

p30
・平法 町見術向開不等量 八線術 三
シカワトカトメル出ル図也

p31
・平法 町見 八線術 四
一規真開二十間此間ヲ以見通マテノ四十三間ヲ知ル也
此四十三間二割リ規ヲ心持次第二開キ四ツト三分二割ル也
規ノ開キ二寸ヲ不極メ法也何レニテモ四ツト三分二當ル所ヨリ引上レハ見通ノ六十二間トナル術也

p32
・平法 町見術 一

p33
・立法 同高量術

p34
・分度矩喚地圖術

p35
・八線術 立法
一 正玄二十二半間則高サトナル
但シ正玄ノ所ニモ不限規ノ真ノ間ヲ三ツ七分半二割テ當ル處ヨリ引上ルナリ
乃規ノ真二十間ヲ以三十七間半ヲ知ル

p36
・須幹磁針
・逆幹磁針
逆幹ノ方ハ南ヲ自前二當磁針之頭之當ル幹之方ヲ自身之向方トスル也
假令先ツ自身南二向テ逆幹之午ヲ前二向テ見ルキハ針頭午之方ヲ差也
又試自身子二向午ヲ前二當レハ針頭子ヲサス
又日自身巽ヲ向ヘハ則午ヲ前ニ當レハ針頭辰巳ヲ差ス
以是餘ヲ可知如此自身ノ向方ヲサス
故船中ニテモ陸地ニテモ其所ニ不止シテ向方ヲ知術ナリ

p37
・規矩町間術 八線表不用術也

p38
・直線見通障リ有ル時直線ヲ離レテ見ル術
見當直線ノ所ヨリ見ル〓不得則上ノ図ノ如ク何間ニテモ場所有ルホト通リヲハナレテ見通ヲ定分度ノ數ヲ印シ置テ別ニ図ヲ設ル時ハ下ノ圖ノ如ク先墨引キノ通ヲ見タル所ノ間ニ割合テ引又朱引ヲ延テ而分度矩ニテ見タル度ニ合ワセ飛墨ノコト引上レハ自カラ打合所アリ此打合ト朱引ト矩ヲ當テ如圖シテ角ヨリ分度矩ノ直マテ五分十間ノ割マテ
・設面ヲ真ノ間ヲ量ル術

p39
・平圓得倍積・平方得倍積・同右術・分方積又為両ツノ方積矩術

p40
・天地球三百六十五度四分度一割之術
此割ハ先仮二十字ヲ設ヶ円ヲ轉レ○印ノ小玄ヲ九十度割尢○印ハ十八割五度也 此五度ヲ以仮十字ヨリ如図十ス又元五度四ツニ割貞ノ仮十字ヨリ一ツフリ利二ケリ二ツフリ亨ニケ一ツフリ又飛朱ノ十字ヲ引☆印ノ小玄ヲ九十度二割尢☆印ハ五度ノ○印ノ五度ハ広レ☆印ノ五度ハ狭レ此ノ広狭ノ差ハ四分度ノ一二十五分ナリ此差ノ所ヨリ墨引レ用ユ
ラン暦術 閠日三十一日ヲ百二十八年二除得二十四分二一八有 竒 四ヶ年三十二日ノ内一日減三十一日

p41
・寛政九丁已年四月一九日立夏ヨリ九ヶ日太陽存北十八度五十分 
冬至牛中太陽三十度二十九分
夏至牛中太陽七十七度三十一分
日本江戸ノ赤道ハ正地平ヨリ赤道追五十四度也 之ハ九十度ノ内減南極三十六度余リ也
丁已ノ四月一九日ノ太陽牛中七十二度五十〇分
・今有三角ノ板是ヲ四角方二作直レ時裁ヤウ規矩ヲ問
答如圖
法玄如図中勺寸ト面半寸ヲ以テ右ノ外ヱカリ二墨ヲ引中ノ方面半ト右ノ上下ノ隅二富テ矩引キ亦☆印ヲサレテ中勺ノ下二隅ヨリ左ノ面富テ引而墨ヲ切リ後図ノコトク竒テ合間

p42
・六角面責方責面得長面追テ如此
八角ハ面四ツ 十角ハ面五ツ
・同上ニ
五角ハ二面半 七画ハ三面半

p43
・平圓積換方積・平方積換圓積・三角積換方積
・諸角面積換方積五角元起術
五角ハ二ツ半面ヲ出シ一方ノ平中径ヲ加へ如面シテ方面ヲ積トスル也 六角ハ面ヲ三つ出シテ一方二平中径ヲ加へ是ヲ二ツニ割半円ヲカケ如面シテ方積ヲ得ル也 斤何角ニテモ此術ヲ以方積トスル 假令八角ナレハ六角同術八角ノ四面ヲ出シ平中径ヲ加へ 又日七角九角ノ如キハ半径は七角ハ三面半九角ハ四面半其平中径ヲ加ル也 但三角ハ別法ノ如シ

p44
・三角積平方規矩之術・勾殳玄・平錐積・三斜積
・四面不等積換方積
墨引ハ元積飛墨ハ法
・方面不等斜術・延積斜術

p45/p46
・分元積矩之術・加積之術

p47
・開平換方積規術・平法乘積之術

p48
・仮令六百坪アリ円積ノ径ヲ知ル術
六百歩ノ開平ニテ方面二成シテ一面ヲ四ツ二割方面ヲ心ヨリ四ツ一ト分カケテ圓ヲ設ル也
・如仮六百歩ノ積有三角面積ト為シテ面何間問
規矩術以六百歩ヲ平法二開キ方面積ト為テ初心處二規ノ心ノ立方面ノ角二富テ中円ノ因又○心ノ處ヲ角に定テ円中二三角ヲ容レ又○心ノ處二規ノ心ヲ立両角ヨリ円ヲ因而円ト引合ス所ノ☆ノ径ヲ引キテ心二規ヲ立テ外円ヲ而朱引ヲ足即六百歩ノ三角面積ト成ル也

p49
・更面〓得同積
三角面一尺 其他面不等 以為同積得線圓解 但比面ハ一尺面之半積
・三角同積之圓

p50
・同方積・同五角十角積

p51
・同六角積・同十二角面積
・三角面一尺
円径七寸四分二厘五毛 方面六寸五分二厘 五角面五寸八厘 六角面四寸〇八厘二毛 七角面三寸四分五厘八毛 八角面二寸九分九厘四毛 九角面二寸六分四厘六毛 十角面二寸三分七厘二毛 十一角面二寸一分五厘 十二角面一寸九分六厘六毛

p52
・分尺元法・方寸定法 勾股弦三四五之方・真之曲尺
・圓周量尺
以曲尺七寸為二十二也
如假此尺之有一尺一寸則
圓周曲尺之一尺一寸也

p54/p55
・緯度之表

p57
・比例尺元起

p58
・分度規術
・天地球全図
如假一尺ノ平円天地球度ヲ引モノハ徑一尺ノ平円ノ如甲乙二ツ重テ中墨ヲ引上テ而甲円十字ヲ入而甲円周ニ横陸ヲ引是ヲ中墨ヨリ子丑百八十度並但シ此百八十度円周三百六十度ノ半分也 依之円周四分ノ一ヲ九十度二割此十八度以横十八度ヲ割ニ而乙円真ヨリ子丑當テ引上ルナリ 尤必ハ上ノ半円ニテ術ヲ見スル為二円見ズ半円テ術ヲ見スルナリ 而十八度ノ角ヨリ左右ノ斜ヲ掛テ此斜ト立十八度ノ線ト當ル処ヲ横ニ九十度ヲ引ハ次第迫ニ度ヲ得ルナリ 而此迫ニ度ヲ十字ニ移シ四分一周ノ九十度ヨリ斜ヲ引此斜ノ半ヲ矩ノ手ニ堅中墨ニ當処点引當規心トナル 而四分ノ一九十度ニ當テ円周エ當テ轉セハ緯度線ニ反ヲ掛ルナリ又南北ノ線ハ横ノ十字次第迫リ九十度ヲ移テ立十字南北極ノ線ヨリ横十字ニ引當此半ニ矩手ヲ當テ横十字ノ當ル処迄引出セハ南北極線ヲ規心ト成テ反ヲ掛ル也

p59
・同別法地球規術
如假徑一尺ノ天地球ナレハ先一ノ半周五寸ヲ設ケ又二ノ半周ヲ設又三ノ半周ヲ設ケ而三ノ半周ヲ十八ニ割是百八十度ナリ 又半周四分ノ一ヲ九ニ割九十度ナリ 是ヲ一ノ円半周緯度ノ十字ニ引付レハ一ノ円南北九十度宛十八度ノ線ノ當リヲ得ナリ 而右ノ九十度ヲ引出シ緯度ノ十字引付レハ則規心ト成ル 此ニ心ヲ立テ三ノ半周ヨリ引出タル九十度ニ當テ轉セハ南北徑九十度ノ線トナル 又二ノ半周二分ノ一ヲ十八ニ割南北徑十時ニ引付ケ印テ規心トシテ轉セハ東西緯度ノ線ト成ル 但シ此図一ヲ半周ニスルハ規術ノ分アリテ見易キ為ニ半周トスルモノナリ 眞図ヲ為スモノハ一円周トシテ二三ハ半周度ノ割白系ニテ引之一円全図ヲ可為也 尤此術ハ紅毛國ニシテ甚至妙ノ術也

p60/p61
・北極三十六度 平圖地球規術
如假徑一尺ノ球ナレハ先ツ初術ノ円ヲ設ケ側ニ半円ヲ設テ半周四分ノ一ヲ九ニ割南北ノ九十度ノ線ノ當ヲ得ル 而テ円ヲ設ケ如假北極真ヲ三十六度ニ當ルトキハ右ノ九十度ヲ以三十六度ヲ移シ規心ヲ立テ初円緯度線テ傚テ円ヲ掛レハ則南極真ハ裏迴ヲ北極真計見ル形トナル 而円周ヨリ北極真ノ間ヲ取コレ十字下ノ横ヲ引也 是迄ハ術ノ起形ヲ見ハス必十ナリ 蓋シ三ノ円ノ設十字ヲ入初円ニ得ル所ノ九十度ヲ移シ面二ノ円北極真ヲ移又二ノ円周ト極真トノ間ヲ取之×印ノ横×印線ヲ引東西十字二移タル九十度極真ヨリ斜ニ引出シ半ヲ矩ノ手ニ下ノ×印ノ横線ニ引出・印ノ規心トヲ南北ノ線ノ掛ルナリ 又東西線ハ極真ニ規心ヲ立テ二ノ円緯度線ヲ移スナリ 而東西十字周ノ處ニ規心ヲ立テ初引タル南北線周ノ所ニ當テ北方ニ轉セハ極真ヨリ北九十度ノ線ノ當リヲ得ルナリ 是ヲ極真ニ引付ル半ヲ矩ノ手ニ×印ニ引付レハ規心トナル上ノ全図以考餘傚之
・地球全圖 アールドコロード

p62
・地球畧延ノ圖・地球之図張紙三十六度割

p63
・地球平圖

p64
・開平法規矩術
術ニ曰假令積六歩アリ 平方ヲ以方面積トス 但シ一寸ヲ以一積トス 竪横ノ經ヲ引有面積六歩ヲ六寸トシ 一寸ヲ減シ横經ヲ五寸ト印シ規ヲ積寸ニ一寸ヲ増テ七寸ニ開如圖規ヲ當ル所ニ分寸ヲ以方面トスル
・同術
積三十六歩 一分ヲ以一積トス 但二分一分ヲ換ス也如圖

p65
・立法規矩術
術三寸六面其一面ヲ元数ノ三寸ニ因テハ三三九平面積トシテ又元ノ三ヲ以如圖ノ規術ニテ乗之則積二十七寸トナルナリ
・同術
積六十四歩

p66
・立法 高八寸/面六寸
術 高八寸面六寸元六寸以六六三十六シテ高サノ八寸ヲ以乗之則二百八十八寸トナル 面同寸高サ面ト不等ノ術也 余倣之

p67
・立法同術
術 長八寸平六寸高一尺二寸 高サ一尺二寸平ノ六寸トヲ一面ノ平面積ニスレハ七十二トナル 長ノ八寸ヲ以乗之則五百七十六ヶトナル 寸分不等之術 余倣之

p68
・橋中眞知高
如假有橋渡サリ 五丈端ヨリ五尺登テ高三尺五寸アリ 中眞ニテ反リ高サ何ホトアルヲ知ルナリ

p69
・橋之反ヲ懸ル術
假如渡三十五間中ニテ三丈六尺之反ヲカケル{トキ}朱引圖ノ如ク術ヲ以圓ノ眞ヲ定メ圓周ヲ懸テ反ヲ極ル也

p70
・半円ノ中ニ等圓容孤斜ト與圓真得規矩術

p71
・徑有一寸七分二厘周ヲ問
徑一寸七分二厘之圓中ニ十字ヲ入レ半円ヲ二割ニ徴規ノ初真トシ二三ノ斜ヲ得ル又三ヲ心トシメ四五ノ斜ヲ得テ五ノ斜當リノ所ヨリ☆マテノ間ヲ周ノ四分ノ一トナル四ヲ乗スレハ一周トナル
・周有五寸三分三厘徑ヲ問
周ノ長サ半寸ヲ以徑トシテ一二三ノ斜ヲ設ケX此間ノ一ト分ヲ上ケ當所ヨリ如圖斜ノ得テ圓徑トナル

p72
・孤矢弦規矩術
玄八寸矢二寸孤間圖庚甲斜ヲ量テ答
術玄線ヲ甲乙トス 矢ヲ乙丙トス 矢ニ筒丁戊トス 戊甲ノ斜線ヲ設テ其斜線ヨリ矩ヲ合テ丁乙線ヲ設是ヲ戊庚ニ矩ヲ合テ丁乙ノ長サ戊庚ヲ引テ庚甲斜線ヲ懸ケ是ヲ量ハ孤ノ寸ヲ得ル也 但シ弧矢弦ヲ知テ其積ヲ知ル術欠円之全積ヲ知ル術ヲ以為スナリ
・知缺圓積規矩術 又缺圓全積之何分ニ當ルヲ知規術
平錐積方積ニ換術同前ニ有リ 加積術同前ニアリ 右之術ヲ以缺積ヲ知テ圓ノ全積ニ乗何分ノ缺ニ當ルト云ヲ知ル也

p73
・大斗大サヲ極テ十二角面之四角ニ當ル規術
・十二角圓中ニ三斗ヲ出ス規術
大斗ノ大サヲ墨引ノコトク圓徑ニシテ半圓ヲ二分シテ初心ヲ得テ三度如圖シテ一二角円ノ半徑ヲ得下ノ如圖ノ三円トナシ一二角面トスレハ大斗ノ大サ四角面ノ所ニ當ルナリ

p74
・同術
此術速ニテ真理也
大斗ノ大サヲ三角面ニシテ如圖一面ヲ二ツニ割是ニ斜ヲ設テ真ノ處ニ規ヲ立テ圓ヲカクレハ大斗ノ大サ四角面ノ処ニ當
蒔斗ノ大サハ大斗下端ノ△ト圓ノ上ハノ△トノ間ヲトリテ圓ノ下ハニ心ヲ當テ両圓ニカクレハ蒔斗ノ大サトナル △印ノ如クシ又其○ヨリ大斗ノ下端ヲ換テ△印ノ如ク両圓ニカクレハ肘木ノ下ハノ大サトナル 大斗肘木ノ盛ヲ定ムルハ大斗三ツ割リノ一分ヲ取ルナリ 蒔斗肘木ノ下端ハ初ノ両圓ニカケル横徑ノ墨中ニ當ル也 但シ大斗肘木ノ盛ハ大斗ノ斗グリヲ除テ盛トス 両術可ナルヲ可用也 又曰大斗肘木ノ盛ハ上半圓ノアタリヲオサエ定ムルモ可也

p75
・{カラ}博風之反規術
千鳥破風ハ上増アリ 腰ニテ反り強クスルナリ 先ツ上ノ増ヲ定テ朱引ノコトクシテ長サヲ三ツニ割リ下ノ一ト分ノ所ニテ反ラス可キホトノ所ニ當リヲ付ケ飛朱ノコト 斜ヲ引合スル所ニ規心ヲ立テ上下ノ角ニ當テ反ヲ懸ル 仕様何レニテモ同事也

p76
・軒之反或鳥居笠木等之反物規術
桁ノ真ヨリ軒ノ出ヲ五ツニ割リ一ト分ヲ陸ニシテ四分ノ間ヲ斜ニ引キ各ニツニ割如面引出シ合フ所ヲ規心トシテ桁ノ真ヨリ軒ノ端マテ反りヲ掛也

p77
・{カラ}博風規術
粧廡桁ノ真但シ粧廡桁ノ間タ六ツ割

p78
・唐博風茨鰭
博風之長サ九ツ割 粧廡桁ノ真 但粧廡桁之間タ五ツ割

p79
・勾配違宇立高ヲ知矩術
如假地ノ間柱真三丈一方二寸配一方四寸配ノ時ハ規ヲ何桿モ開キ一尺ト為定 其規ノ一尺ヲ以地ノ間ノ間寸ヲ定 一方十二量一丈二尺トス一方六ツ量テ六尺トス 如圖引違ヲ引渡シ規ノ一尺ヲ以宇立ノ所ヲ量ハ四尺ト成則曲尺ノ四尺ニ當ル也 但シ地間ノ三丈ハ何寸ニテモ好ノ寸法ニシテ圖ヲ引也 又日地間ノ寸法ニハ不均シテ長短何ホトニモ図ヲ引ナリ 是ハ曲尺ノ寸法ヲ不用シテ規ヲ以設タル寸法ヲ以曲尺ニ合術也

p80
・大圓中圓無定寸相連朱ノ小圓ヲ其間ニ容ル時ニ小圓ノ直線中真ヲ得規矩術
如假大円二寸四分七厘五毛中圓一寸三分七厘五毛ナレハ小円徑四分五厘トナルヲ知ル也
術ニ曰大中ノ圓ニ中真ヲ得而十字ヲ入大中圓ノ横ノ径ニ當如圖ノ斜ヲ下ノ直線矩ノ一方ヲ當縦ニ直線ヲ引上テ而テ大圓心ノ字ノ所ニ規ノ心ヲ當テ下ノ直線ヨリアワセハ縦ノ直線ニ當ツテ小圓ノ中心ヲ得ル也 又曰左右ニ小円ヲ容ルモ同術也 但シ尤ニ容ル時ハ大圓ト小円ノ十字ニ斜ヲカクル也 右ニ容ル時ハ中圓ト小円ノ十字ニ斜ヲ懸ル各同術ヲ以小小円ヲ容ルコトヲ得ル也

p81
・有方面積堀或ハ道ヲ取除テ同積三分ト為ス
如假方面三百六十間ノ地ニ幅六間ノ堀如面入テ残積ヲ同積ニス 術堀ノ真ヲ得ル堀幅何間ニテモ真ヨリ振リ分ケニスル也

p82
・如假百間四方一万坪此内ニ堀幅ニ間ノ惣堀ヲ入レテ内外同積ニスルニ堀ノ中墨ヲ知ル規術
・半積ノ内黒ノ積ヲ減ル術

p83
・有側圓得同積平圓之術
・側圓中ニ方面ヲ容ル術
横ノ真ヲ三ツニ割リ連圓ヲ容レ如面ノ斜ヲ引ケハ角々ヲ引キテ方面トナル
術側円中ニ方面ヲ入レ斜ヲ設テ円ノ真ヲ得テ同積ノ円形トナスナリ 即円径ヲ知ルナリ 又圓周ヲ知ル法ヲ以此円周ヲ知ラハ側円ノ円周トナル 但シ圓ノ周径ヲ知ル術前ニモアリ依テ茲に面而して巳ヲ出シテ解ヲ略ス
乃側圓長キハ円三ツモ四ツモ割合次第入ルナリ方面モ同断ナリ

p84
・方面之積有り角ヲ合テ三角積ニ容ル術
方面半斜此ノ×印取テ角ヨリ如圖而真ヲ得ル 方面ノ斜ヲ取テ一ニノ所ニ當飛朱ノコトク為ハ小三角ト成ル 方面角ヨリ真ニ當一ニヲ引ハ小三角ノ二面ヲ得ル 又甲乙ニ當テ引ハ一面ヲ得ル則方面當テ三角面ト成ル
又三角面有リ同寸方面2ケヲ容ル術 三角ノ一面ヲ三ツニワリ一ト分ヲ真ニ當ハ小三角トナル
残ル処ヲニツニ割レハ方ノ一面ヲ得ルナリ 甲乙ノ所ニ當ハ又一面ヲ得ル此面ヲ以方面ト為ス

p85
・以圓為側圓同積術
術圓中ニ方面ヲ入テ径ノ四ツ一ト分ノ処ニ心ヲ立テ一ニノ斜ヲ小角ニ得テ向當ル所ヨリ朱引 如圓方面ヲ入レ角ヨリ径ノ真當斜ヲ掛則側圓ノ心ヲ得ルナリ 但シ同積ト成ル也

p86
・半圓中容大小圓規矩術
大圓ノ径四分ノ一ヲ横ヲ引ハ中圓ノ横ノ径ト成ル 又大円周四分ノ一ヲ斜ニ取之テ横ノ径ニ當レハ中円ノ竪ノ径ト成ル 此縦ヲ直ニ引上テ半圓ノ周ニ當テ大圓ノ十字ニ斜ヲ入レハ次ノ小円ノ真ヲ得ル 而メ大圓心ノ所ニ規ノ心ヲ立テ一ニノ所ニ縣 ×此間ヲ取テ下ノ×テ當心ノ所ヲ立テ逆字ノ心ノ処ヨリ三四ヲ掛レハ小円ノ眞トナル 而大円ノ横十字ヨリ横手ニ引上レハ三段メノ小円真ヲ得ル 四段メ小円ハ三段メ円ノ横十字ノ矩ノ手如圖五段六段其余同術也 下ノ三円ハ前方大中圓ノ間ニ小円ヲ容ル術有リ 右之隅ノ一円ハ如圖シ

p87
・疑宝珠規術
一 男柱大サノ五分を取テ方面長手ト為ス 短手ハ長手ノ三分二ヲ取ル也
一 方面真ヨリ半分ヲ六ツニ割 短手ヲ引下レハ下ノ縁ノ円ノ心トナルヲ一ツ円ヲ引キ上テ長手ノ半分ヲ●印ノ処二富テ心ヲ定メ三ツ目ノ引上ケタル △印ヨリ宝珠ノ尖ヲ引足ス一又○●印ノ間ヲ取テ尖ノ長サヲ定ルナリ
一 又一ツ目ヲ引下レハ屓ノ円ノ心トナル 一○印ノ心ニテ腰ト下トノ筋ノ心トナル
宝珠尖ノ心ニテき屓ノ二筋ヲ引ナリ 筋ノ大サハ方面ノ六ツ二割下分ナリ 一筋ノ間ヲ定ムレハ如 圓方面ノ斜ヲ取テ二×●三ツノ印二富テ割也 一宝珠ヨリ下挌好長キ時ハ下ノ二筋分ヲツメテ割へシ

p88
・一 面不等ノ三角或ハ三斜形ノ中二客一圓知正眞径矩規術
術不等一面ヲ二ツニ割尖二富テ中墨ヲ引而心ノ処二規ノ心ヲ立テ中墨二富テ轉レ是ヲ二つ二割甲斜ヲ懸レハ中墨ノ富レ所圓ノ正真ト成ナリ
・有長四寸五分短一寸五分合之為方面積規術

p89
・平水ノ術
〓ノ内ヲ空ニテ水ヲ見ル 筒ヲ硝子ヲ以可作ル用之ハ其ノ不陸真スルニ不及如圓硝子ノ筒二水ノ昇リタル通二縄ヲ引富レバ則陸水ト成ルナリ
・同浮板ヲ用術
筒ヲ竹ニテ可作 内ノ浮板二真ヲ立真 木ノ浮上リタル先ニテモ中ニテモ富テ縄ヲ引ハ則陸水トナル

p90
・緯度表

p91
・準縄之圖
不動直動不直 不動不直動直

村田佐十郎平光窿不燿 文化十葵酉年三月