金比羅船々 追手に帆かけて シュラシュシュシュ
まわれば四国は讃州 那珂の群 象頭山金比羅大権現
一度廻って (民謡)
この建物は金刀比羅宮の授与所(写真上部の人工地盤上にある木組みの屋根の建物)
と社務所(その下のガラス部分)である。人工地盤は本宮などがある社殿ゾーンから
突き出している。船のような建築である。
様々な種類の階段を登りきる。この建物が姿を現すときにまず目に付くのは下部に大
きく存在している構造的基礎の石の部分である。現代版かけづくりという感じであ
る。写真からもわかるように、階段を横にしたようになっている。(どうやら本宮に
登る階段の踏み面である320?を単位寸法にしているらしい。)
その上に赤く錆びた鉄で造られた人工地盤がそびえている。この下の空間には機能的
な基礎である社務所がある。この部分はガラスになっており人工地盤が石の基礎から
完全に独立して浮遊しているように見える。(どうやら鉄は海の神様である金刀比羅
宮の船をイメージしたらしい。)
最上部にある木組みの屋根の部分は授与所でこの建築のメインといえる。この部分が
社殿ゾーンと同じレベルにある。つまり本宮などからは授与所しか見えず、社務所な
どは一切見えないのである。
神聖な神の領域(授与所)と人の領域(社務所)これらの世界の違いを石・鉄・木の素材
感・構法・構造、また視線であらわし、金刀比羅宮の象徴である階段・舟・木組みの
屋根で統一感を出している。
緑の海の上に浮かぶ船は山の階段を滑り下り海に帰るのだ。