公開: 作庭書


目次

1はじめに

2作庭書の系譜

3作庭書データ

4テキスト化に際して


はじめに

ここに公開する作庭書のテキストは本学中谷ゼミナール庭ゼミの一環として行った。テキスト化を行う対象は『嵯峨流古法秘伝書』とそれを範とした江戸時代以降の作庭書、並びに日本最古の作庭書である『作庭記』である。

作庭書とは、庭を造る際の手本とされたもので、今でいう教科書のようなものである。現在確認されている最古の書は先に記した『作庭記』であり平安時代頃に作成された。安土桃山時代頃までは秘伝書であったため世間一般に流布されなかったが、江戸時代に入ると写本等で広く流布されるようになる。また、造園学会でも高名な飛田範夫氏によれば江戸時代以前の作庭書は『作庭記』、『秘本庭造伝』、『山水並野形図』、『嵯峨流古法秘伝書』の四つであり、その他の多くは江戸時代以降に刊行されたものであるという。
今回テキスト化する作庭書『嵯峨流古法秘伝書』は江戸時代以降特に写本された数が多い。その理由として、飛田範夫氏によれば『嵯峨流古法秘伝書』が真行草という型を唯一用いており江戸時代の一般庶民が理解しやすかったのではないかという。

以上の理由により、本学中谷ゼミナール庭ゼミでは日本最古の作庭書『作庭記』、並びに江戸時代以降特に写本が多い『嵯峨流古法秘伝書』とそれを範とした作庭書をテキスト化する事にした。

参考文献
『造園古書の系譜』飛田範夫 造園雑誌47(5) 1984
『解説 造園古書叢書』 上原敬二 加島書店 1974
『庭園』 森蘊 東京堂出版 1993

作庭書の系譜

赤:テキスト化した作庭書
青:作庭書の系譜
黄:石立僧、河原者、茶人等作庭者のグループ

参考文献
『造園古書の系譜』飛田範夫 造園雑誌47(5) 1984
『「作庭記」からみた造園』 飛田範夫 SD選書 1985
『庭園』 森蘊 東京堂出版 1993

3作庭書データ

『作庭記』(さくていき)著者:不明 成立年代:不明 写:1289

『山水並野形図』(さんすいならびにのがたず)著者:不明 成立年代:不明 写:1466

『嵯峨流古法秘伝書』(さがりゅうこほうひでんのしょ)著者:不明 成立年代:不明 写:1395

『築山山水伝』(つきやまさんすいでん)著者:不明 成立年代:不明

『夢想流治庭』(むそうりゅうちてい)著者:越一風 成立年代:1799

『築山庭造伝前編』(つきやまていぞうでんぜんぺん)著者:北村援琴 編集:秋里籬島 成立年代:不明

『築山庭造伝後編』(つきやまていぞうでんこうへん)著者:秋里籬島 成立年代:1828

4テキスト化に際して

本文はMicrosoftWordを用いてデータ化した。その際、以下の図のように、部名・項目・項目見出し語・項目カナを定義してセルに置き換え、それに検索用として現代語かなのセルを加え、さらに通し番号を振った。また、しばしばみられる各ページの枠外にある落書きのようなもの(下図参照)は除外した。

注)尚、変換ソフトに対応していない文字は以下のように表記する。
(1)原文の文字が不明であるが、読みがわかる場合・・・・・・・・・・・{ヨミ}

(2)原文の文字が不明で読みもわからない場合・・・・・・・・・・・・・・・・〓