現在、住まい造りをサポートする機関として、工務店、ハウスメーカーそして建築家が考えられます。それらの機関のもつ役割とは、施主の住まいづくりを支えることです。つまり、施主が住まい造りに関する知識と技術を持ちあわせていれば、そのような第三者的立場の介入する余地はありません。
しかし、現実問題としては、時間、知識、技術などを考慮すると、施主一人の力で住まいづくりを完結させることは困難です。
そこで、住まいづくりをサポートする機関が必要となるわけですが、はたして、現在のシステムが最良だと言えるのでしょうか。
そこで、一般の家主を対象とした建築術を教える教育機関として『築道』なるものを設立し、広く一般門下生を募り、建築が特別なことではなく、花嫁修業と同じように定着すべく布教ならぬ、布道をしていくことを提案します。
それにともない、建築家の果たす役割(の一部分)は肩代わりされ、その機関で行われることは、正しい知識を教えること、そして自分のセンスに自信を持たせることとなります。
また、施主を教育することによって、無秩序な住宅の乱立を防ぎ、住まいづくりに関するトラブルを減らすことになります。建築家にたのむべき芸術的な家ももちろんあります。でも、ほとんどの人たちは、かっこいい家が欲しいのではなく、「ちゃんとした」家が欲しいのです。『築道』はそのような施主の要求に応えてくれるでしょう。